スピードメーターの定義  JIS規格

古くは機械式スピードメーターの時代までさかのぼりJISの定義によって定められています。

一般的にはメーターワイヤーがスピードメーターに連結されメーターワイヤーの回転数によりスピードメーターの針が時速を表示します。
その時、スピードメーター内部に設けられているパルス発生装置がメーターワイヤの回転数に応じたパルスを生成し、
CPUなどに信号を送ります。

その信号を車速パルスと言います。
この車速パルス信号はメーカーや車種により異なりますが
ワイヤ1回転あたり 「2パルス」 「4パルス」 「8パルス」が代表されます。

そうなんです。 車速パルスとは、タイヤ1回転ではなく、「メーターワイヤ1回転で何パルス」と定められているのです。



こちらがJISの定義です。

詳しく知りたい方はJISのホームページのJIS検索から JIS_D5601を検索してみてください。

下の写真はスピードケーブルに対する車速パルスとの関係性の抜粋です。





では、タイヤ1回転あたりの車速パルス数は?

メーターワイヤの回転数が毎分637回転の時にスピードメーターの指針は60km/hを表示します。
メーターワイヤ1回転につき車速パルス数が2パルスの場合の車速パルス数は
637(ワイヤ回転)×2(パルス)=1274パルス
1274パルスは毎分ですから毎秒21.23パルス(Hz)発生していることとなります。

時速60km/h時のタイヤの回転数はタイヤの外径により異なりますので
一般サイズの 215/45−17 サイズの場合のタイヤ外径が626mm(ブリヂストン・REGNO)ですので
タイヤ外径を625mmとします。

タイヤ外径が625mmの場合、時速60km/h走行時のタイヤの回転数は毎秒8.49回転。

21.23(パルス) ÷ 8.49(タイヤ回転) = 2.5(パルス) となります。 



そうなんです。タイヤ外径にもよりますが
ニッサン車の場合、ワイヤ1回転あたり2パルスですからタイヤ1回転あたり2.5パルス
トヨタ車の場合、ワイヤ1回転あたり4パルスですからタイヤ1回転あたり5パルスとなるんです。

こちらが正解です。

現在のスピードメーターのほとんどが電機式ですが、この定義は変わりません。



この21.23パルスを定義されたことによりECUや後付けのスピードメーターなどは
パルス数を何パルス?と教えてあげるだけで
車種、タイヤの外径などに関係なく21.23Hz=60km/hだと判定できる事になります。



SPAの開発にあたり相当数のスピードメーターとセンサーを入手し分析しました。
トヨタのスピードメーターもかなりの台数をテストしましたが、
その結果、外形625mmの計算でタイヤ1回転あたり5パルスを入力してあげるとスピードメーターの値は正規の速度を示します。
そして、スピードメーターからECUへの車速パルスの出力数は入力=出力で補正値なしの5パルスが出てきました。

ニッサン・マツダなどは入力パルスに対する出力パルス数はちょっと複雑ですが
タイヤ外径625mm計算でECUへの出力パルス数はニッサン2.5パルス・マツダ5パルスとなりました。


当方が製作しているSPA(車速パルスアダプター)
タイヤ外径625mmにてタイヤ1回転あたりのパルス数で定義して製作しています。


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